夏の終わり

              


    波が高くなって
    にぎやかだった浜辺に
    人影がまばらになると
    法師蝉が夏の終わりを告げる

    柔らかくなった
    日差しの中にたたずんで
    少女は海を見つめている

    ひと夏の想い出を振り返るとき
    あどけなさの残る
    その横顔は急に大人びる
    きのうまでの無邪気さは消え
    おんなの装いすら見せる

    大人への階段を
    上がり始めた少女は
    その戸惑いに心を閉ざし
    波のメロディにも歌わず
    風のささやきにも
    耳を貸そうとはしない

    夏の終わり
    おんなへの脱皮を始めた
    少女は貝になる