神の沈黙

              
     

    一九四五年八月六日
    あの日、ヒロシマに  
    神はいなかったのか
    この世に出現した地獄の中で
    多くの人々が一瞬に
    あるいはもだえ苦しみ
    見るも無惨な姿で死んでいった
    もし、神がいたとすれば
    何故、あなたは救いの手を
    差しのばさなっかたのか
    原爆という超科学兵器の前では
    あなたは無能すぎたのか

    そうでないとすれば
    あなたに救いを求めた人々の声を
    黙殺してしまったのは、何故
    同胞同士で
    醜い殺し合いを繰り広げる人間に
    あきれはててしまったからか
    それとも
    戦争の愚かさを教えるために
    涙をのんで
    あえて多くの命を
    召されたのだろうか

    神の深い思慮を
    推し測るべくもないが
    もしも人間の手で
    再び終末時計を
    進めるようなことがあれば
    そのときこそ神は
    永遠に沈黙してしまうだろう