小さな駅

              
  ひなびた小さな駅で
  私は各駅停車の列車を
  待っていた 
  だれの真似でもない
  自分だけの人生を見つけたくて
  希望行きの切符を買った

  あれから何年が経っただろう
  空しさを残して
  急行や快速は
  数えきれないほど
  通り過ぎていったが
  各駅停車は
  いっこうにやって来ない

  胃袋はいかに飢えていても
  心はいつも豊かでありたいと
  理想に燃えていた瞳には
  陰がさし
  大草原にすっくと
  風に向かって立つ
  ライオンでありたいと
  張り詰めていた気力は
  あせつつある

  見え始めてきた自分の限界と
  増幅する焦りを抱いて
  きょうも私は
  プラットホームに立っている
  私の乗る列車は
  まだ来ない