ア ヒ ル

青空の深さに憧れて 飛んでみようと 羽根をばたつかせてみたが 駄目だった 母なる大地の温もりに いつまでも甘えていては いけないと 地面を蹴ってみたが 駄目だった あんなぶかっこうな 頭でっかちの ジャンボ機でさえ飛べるのに なぜ私は飛べないのか 渡り鳥のように 立派なものではないけれど ちゃんとした翼も あるというのに 三十六年間 私なりに生きてきたつもりだったが これだけの経験では これっぽっちの人生哲学では 空を自由に飛び回ることは 叶わない夢なのか きょうもまた もしかしたら 飛べるかもしれないと はばたいてみるが 引力への敗北感を いやというほど味わうばかり それでも 夢だけは捨てまいと 羽根の手入れだけは