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ニュースレター


まちのよそおい 26号
編集・発行 特定非営利活動法人まちのよそおい・ネットワーク(略称:NPO法人まちよそ)
2000年9月25日 連絡先 宇部市大字川上420−9(株)グリーンデザインオフィス内(郵便番号755−0093)
携帯:090-1460-3091 FAX:0836-32-82025 岩田(理事・事務局長)HP:http://www.sujet.co.jp/matiyoso/



山根 由紀

木のある風景

遅い夏の朝、末っ子が通う幼稚園に登った
小高い丘の上に立つ幼稚園の園庭からは
自分たちの住む集落がよく見渡せた
数年前、丘の東側はうっそうとした竹藪で
子どもたちの視界は遮られていた
あるとき、保護者の世話役が
仕事の休みを何日も費やして竹藪を伐採した

  おかげで子どもたちは、
見晴らしのよい園庭を手に入れることができた

  彼の素晴らしいところは、竹藪に埋もれていた木を
切らずに残したところだ
麓の集落からもよく見える、なにやら風情の漂う木

  生憎この木はフェンスの外で、
子どもたちが、その木肌に直接触れることはできないが
園舎を巣立ってゆく子どもたちの記憶の中に
この「木のある風景」は静かに刻まれることだろう



“手作り景観賞2000”の審査会を下記により開催します。 皆さんのご参加をお待ちしています。
開催地 会 場 開 催 日 時
長門 長門コミュニティタウン「ウェーブ」 9月24日(日)10:00〜18:00
アトラス萩店 9月30日(土)10:00〜18:00
山口 大殿公民館 9月30日(土)、10月1日(日)10:00〜16:00
下松 ザ・モール周南 10月21日(土)10:00〜18:00
下関 シーモール下関 10月28日(土)10:00〜18:00
小野田 小野田市立図書館 10月28日(土)、29日(日)10:00〜16:00
※開催時刻は会場により変更になる場合もあります。



県内各地での審査結果により入賞した施設の関係者をお呼びして「交流会&表彰式」 を下記により開催します。設計者等のお話が聞けるまたとない機会です。 多数の方々のご出席をお待ちしています。 なお、今年度は、(財)山口県教育財団助成事業として実施しています。

日 時 平成12年11月18日(土)13:30〜17:00
会 場 山口芸術短期大学・視聴覚室(小郡町上郷丸山)
日 程 13:00〜13:30 受付
13:30〜14:00 NPO法人まちよそから
14:00〜16:30 交流会(受賞施設の設計者等に説明していただきます。)
16:30〜16:40 休憩
16:40〜17:00 表彰式

※日程は変更される場合もあります。
その他 当日は、山口芸術短期大学の学園祭“芸大彩”が行われています。

お願い
インターネットによる投票も行います。投票は私どものホームページ (http://www.sujet.co.jp/matiyoso/)からアクセスできます。 ぜひご参加ください! 実施期間:2000年11月6日(月)〜11月16日(木)

「河川流域研究会の展開」
NPO法人まちよそ事務局長  岩田真次

 今年度は、7月15日に実施しました第1回 河川流域研究会における事前学習を皮切りに、 9月から本格的に調査活動を開始しました。 9月の調査活動としては、手始めに9月8日か ら10日まで佐波川、掛淵川の親元である出雲 の斐伊川、神戸川の上流・中流・下流を山口 大・山口芸短大のメンバー5名で3日間調査し ました。ご存知のように出雲大社で知られる 神話の郷・出雲は古代から現代までこの二つ の河川流域によって循環型の地域社会が形成 されております。そして、この地域の中心地 出雲市には古代の日置郷があります。現在の 上塩冶町にある神戸川北岸あたりといわれ、JR出雲市駅付近です。調査の詳細は後日 報告しますが、出雲の地域社会は 斐伊川・ 神戸川の上流の山林・鉄(吉田村菅谷たた ら)から中流(三刀屋町、加茂町)、下流 (斐川町)の農業そして河口(大社町)の 漁業で形成される地域固有の自然を基軸に した南北軸と松江、宍道湖そして大社に到 る歴史と文化の移動発展を基軸にした東西 軸により形成されていると考えられます。 出雲市の東南に位置する加茂町の加茂岩倉 遺跡は、全国一の銅鐸の出土で知られてお りますが、小山の頂上付近で発見された銅 鐸の埋設理由には様々な解釈がなされてお ります。私見ではありますが、その位置が 東南東30度の斜面であることを現地で発見 してから、銅鐸の埋設は稲の豊作と河川の 氾濫防止を祈願したものではないかと確信 しました。つまり、鉄と違って銅は保存が 利くため、これが祭祀の道具として使われ、 この地域の持続する循環型社会構築の祈願 であったのではないかという仮説です。  今後は、10月から佐波川、掛淵川の現 地調査を開始します。現地の皆さんと連携 をとりながら、出雲地域で得られた知見を 活かして河川流域の自然とまち並み形成の 歴史・文化を探る予定です。できるかぎり 土、日曜日に実施する予定ですので、河川 流域研究会並びにまちよその皆さんのご参 加を期待しております。

総合的学習セミナーを開催します

詳しくはNPO法人まちよそのホームページをご覧ください


NPO法人まちよそ事務局長 岩田真次

 昨年の12月24日東大の赤門をくぐり、木構造の権威 である坂本・松村研究室を訪ねてから半年以上過ぎた 本年8月、漸く秋穂町にある江戸時代末期の古民家原 田邸の耐震実験にたどり着きました。4月末から6月に かけて原田邸の実測調査と構造解析作業そして7月か ら盆明けまで実験準備にかかり、盆明けの8月18日か らは東大坂本・松村研究室の近藤君、東京都立大の藤 田助手が計測機材を乗せて車で駆けつけました。そし てやっと8月24日水平加力試験を開始しました。  木造実大家屋の構造実験は実施例が極めて少なく、 しかも梁間方向の加力試験が2例あるだけです。今回 の実験は梁間方向に加えて桁行方向の加力試験を実施 するもので、加力方法も従来は建物外部からワイヤー を介して加力していた方法を、町屋など木造固有の狭 少地での実験を意識して建物内部で加力するなどまさ に前代未聞の実験でした。実施例のないこの実験計画 には東大、京大の木造の権威者から疑問の声もありま したが、7月10日東大での構造実験検討会で坂本教授 のご了解を得て、ようやく実施に漕ぎ着けました。  8月24日から梁間方向加力試験を開始し、その間様 々なトラブルに見舞われながら、28日に層間変形角 ±1/120(柱頭部の水平方向変形量約3cm)を終了し、 8月31日から桁行方向加力試験にかかりました。  そして防災の日の9月1日坂本教授、中園教授の立会 のもと、層間変形角1/30以上(水平方向変形量約13 cm)、最大水平耐力7.2tを計測し、大黒柱の柱脚部 と柱頭部が破壊し、増築部分の梁が落下したところで 実験を終了しました。坂本教授から、実験は成功でし たとのコメントをいただき、期せずして実験担当の全 員から拍手が沸いたときには思わず目頭が熱くなった ことを思い起こします。 私見ですが、原田邸の建物重量を約30tと仮定しま すと、最大水平耐力が7.2tでしたから、構造特性係数 は7.2/30=0.24となります。この値は、新耐震基準に 規定する剛節架構又はこれに類する形式の架構の木造 建築物の構造特性係数0.25にほぼ匹敵する数値です。 つまり、柱脚部を断面の大きい足固め、大引き、根太 で、柱頭部を差鴨居と小屋梁でしっかり固められた江 戸末期に建てられた古民家の母屋は、筋交いなどの耐 震壁を十分有さなくても、剛節架構が十分働いて、大 地震に耐えられる強さを示したことになります。   今回の実験には、東大、都立大、京大(西澤講師)、 そして地元の山口大、県立大、山口芸短大の先生方と 多くの学生さん、そして山口県建築士会民家再生研究 会のご参加をいただきました。また、準備から撤去ま で本業をほってまで誠心誠意ご協力いただきました金 子工務店の社長、常務さん、仕事のお邪魔をしてオリ ジナルの加力装置を改造していただいた坂田鉄工所の 社長、奥様、ご子息以下社員の皆さんに心から感謝致 します。  実験終了後の慰労会で、坂本教授から「今回の実験 には様々な方が自主的に、しかもてきぱきと関わって おられるのにびっくりしました」とのお話をしていた だいたとき、今後の住まいまちづくりの分野における NPO的な産官学の連携と実現の可能性を感じながら、 今後はこの実験結果と既往の文献、研究結果などを十 分解析して、伝統的な木造住宅の構造設計ガイドとし てまとめていきたいとの思いに駆られました。  軽い気持ちで民家の構造実験をやりましょうと投げ かけたつもりが、大学院入学さらにこのような大掛か りな実験を始めることになろうと・・・。 今後とも皆さんのご指導ご鞭撻を何卒よろしくお願 い致します。