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ニュースレター


編集・発行:特定非営利活動法人まちのよそおいネットワーク(略称:NPO法人まちよそ)
連絡先:〒755-0093 宇部市北迫新町2-5-14 Mグリーンデザインオフィス
携帯:090-1460-3091(岩田)E-mail:iwata218@mocha.ocn.ne.jp 2000年7月1日発行

私の感じたここちよい景観

高月鈴世

「日常」をさり気なく主張する
−向かい合って建つ連棟長屋−

何となく立ち寄った堺の町で、真っ直ぐに延びる狭い路地に、向かい合って建つ長屋を見つけた。この長屋の傍には南宗寺という大きなお寺があって、そこへは何度か足を運んだことがあったものの、長屋の存在にはこれまで気が付かなかった。こんなにも生活のにおいがプンプンしている空間は、今どきめったにお目にかかれるものではない。
暫くこの空間に止まってみると、左右の棟の微妙な違いに気付いた。出格子を持つ棟と厨子二階に菱形の意匠を持つ棟。互いにさり気なく主張し合っている。そこへ各々の家の表情が加わり、バリエ−ションに富んだ表情を楽しむことができる。
ここで見た風景は、少し前まではごく当たり前のものであった筈なのに、とても懐かしく感じる程にまで減ってしまった。この空間と出会えてとてもうれしかったと同時に、そのことを少し寂しくも感じた。

2000年度はこんな活動をします

今年度は、特定非営利活動法人(NPO法人)として、本格的な活動を開始する年度です。20世紀を締めくくる“手作り景観賞2000”も行います。岩田さんと東で目一杯事業を広げています。ここに、2000年度の事業計画の概要をご説明して、皆様の積極的なご参加をお願いさせていただきます。NPO法人に寄せられる期待の大きさを感じる一方、まだ十分理解されていない面があり、資金や人手不足の中で悪戦苦闘する日々が続くことになりそうです。
引き続き、皆様のご支援、ご協力を賜わりますよう、よろしくお願いします。

1 手作り景観賞の実施((財)山口県教育財団助成事業)
 山口県内に建築された作品を公募し、市民が作品のパネル審査を行い、表彰します。併せて、設計者と市民との交流会も実施します。前回実施した“98手作り景観賞”とほぼ同じ内容で開催します。作品の応募、審査会や交流会&表彰式への出席など、積極的なご参加をお待ちしています。
 募集部門:たてもの
 募集時期:7月1日〜9月15日
 審査時期:10月中(県内8会場程度)
 交流会&表彰式:11月18日(土)山口芸術短期大学・視聴覚教室

2 住まい・まちづくり研究会の開催
 毎月第三土曜日の午後2時から5時まで、山口芸術短期大学・生活芸術科第二学習棟2階にて、(1)〜(3)のいずれかの研究会を開催しています。ご興味を感じられるテーマがありましたら、ぜひご参加ください。(初めて参加される方は、事務局の東までお知らせください。TEL:0835-22-3485(防府土木建築事務所))

(1) 総合的学習研究会((財)ハウジングアンドコミュニティー財団助成事業)
 昨年度、「住まい副読本研究会」として設置した研究会で、住教育・環境学習のレシピ(教師用教材)案の作成や中学生向けの副読本づくりを行ってきました。住まい・まちづくり副読本については、岩田さんとイラストレーター兼漫画家の上大岡トメさんのご尽力により副読本となりました。また、宇部市の財政的な負担により、印刷物とすることもできました。
 今年度は、住教育・環境学習を取り組むには、教科的な視点ではなくいろんな科目を結びつけることが大切であるということから、総合的学習研究会としました。学校教育で模索されている総合的な学習との接点ができればと考えています。昨年度作成した住教育・環境学習のレシピを精査し、要請があれば教育現場にも出かけていきたいと考えています。また、他のグループとのネットワーク化を進めたいとも思っています。さらに、学校関係者との連携についても模索することにしています。
 開催日:9/16 12/16 3/17

(2) 山口福祉のまちづくり研究会
 昨年度、山口県の福祉のまちづくりを進めるために、どのようなことを考える必要があるのかということで設置した研究会です。なんとか1回のミーティングは開催できたのですが、その後は、メール等による意見交換ということで進めてきました。
 今年度は、実際に顔を合わせて意見交換しようということで、3回のミーティングを予定しています。具体的な内容は、山口県徳地町で作成された町高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画「とくじあったかプラン」を利用者側からながめてみようというものです。介護保険も導入され、ますます重要な分野になってくるものと思われます。皆様のご参加をお待ちしています。
  開催日:6/17 10/21 2/17

(3) 河川流域研究会((財)河川環境管理財団・河川整備助成事業)
 循環型地域づくりを考える上で、山と海を繋ぐ河川が注目されます。岩田さんのご尽力により(財)河川環境管理財団から、2年間で150万円の助成金も獲得することができました。古代の先進技術集団日置族がかって管理していた、都市部を流れる佐波川(徳地町、防府市)と農村部を流れる掛淵川(日置町)を比較調査しながら、循環型地域づくりについて考えていきたいと思っています。
 開催日:7/15 11/18 5/19

3. 住まい・まちづくりのネットワーク構築、情報収集と活動支援など 

(1)「やまぐち住環境・福祉機器支援ネットワーク(略称:住環境ネット)」の構築
 (社)山口県作業療法士会が平成8年度から実施してこられた「住環境・福祉機器研究会」を継承発展させたものです。ただ、当面は、高齢者や障害者のための住宅改修を対象に進めます。住宅改修には、様々な関連職種があり、今までも、その間を埋める取組みが行われてきました。この住環境ネットは関連団体同士の情報交換など積極的な連携ができるよう、全県的なゆるい枠組みをつくろうとするものです。実務的な部分は、広域生活圏ごとにサブネットワークを可能な範囲で設置して対応することにしています。このサブネットワークに参加いただける方々の打診をした上で、関連団体に対して住環境ネットへの参加を依頼することにしています。8月中旬には発足させる予定です。いったいNPO法人まちよそはどんな役割を担うのでしょう。住環境ネットの事務局を担当しようと考えています。皆様のご支援、ご協力をお願いします。

(2) 山から住まいをネットワークする団体に関する情報の収集
 住まいづくりは住まい手自らが参加することが大切であり、その意味からも、山から住まいを考えることが注目されます。山口県内で、そのような視点から住まいづくりに取り組んでいるグループが現れはじめています。NPO法人まちよそとしては、現時点ではとてもそのような取組みはできませんが、これからの住まいづくりを考える上ではとても重要であると思っています。そこで、当面は、全国各地で取り組まれているグループをホームページなどを活用して、情報提供していこうと考えました。現在、いくつかのグループにアンケート調査を行っています。第二段の調査を実施した後、整理してホームページ上に掲載します。乞う ご期待!
 このような趣旨で活動しておられるグループをご存知でしたら事務局の東までご一報ください。

(3) 宇部・小野田地区高齢者住宅研究会(宇部・小野田圏域)
 人材派遣やノウハウの提供の一環として、宇部・小野田圏域における住環境ネットのサブネットワークづくりを図ります。高齢者の住宅改修を中心に議論しながら、宇部・小野田圏域での福祉のまちづくりの推進を目指します
  開催日:3ヶ月1回程度
  会場:介護機器ショップはんど(宇部市)

(4) まちと住まいのアドバイザー会議(防府市)
 人材派遣やノウハウの提供の一環として、防府市における住まい・まちづくりに積極的に取り組んでおられる「まちと住まいのアドバイザー会議」に参加します。NPO法人まちよその様々な情報を提供したいと考えています。

(5) 宇部見所まちなみマップづくり(宇部商工会議所委託事業)
 宇部市の建築、景観マップづくりを山口大学工学部と共同で行います。
   開催日:随時開催
   会場:宇部市まちづくりプラザ

(6) 民家再生のための基盤づくり
 山口建築士会民家再生研究会や山口住まいまちづくりセンター民家再生部会との連携を図りながら、山口県の民家再生の基盤づくりを行います。
   開催日:随時、耐震実験8月下旬(秋穂町・原田邸、東京大学坂本・松村
研究室山口大学中園研究室共同研究)
会場:イエローハット、山口大学工学部ほか

(7)近代建築シンポジウムの開催(検討中)
2年連続して開催してきました近代建築に関するシンポジウム・セミナーを、今年度は、できれば(5)と絡めて取り組みたいと考えています。
 また、昨年度作成した「山口市内近代・現代建築MAP」により、まちづくり研究集団「創」と共同で見学会を「アートふる山口」の関連事業として実施する予定です。
(文責:東)

NPO法人まちよそを立ち上げて
事務局長 岩田真次

 昨年11月24日に法人認証申請しましたまちよそは、予定通り今年3月8日付で県知事の認証を受け、3月24日付で法人登記を完了しました。登記後、早速山口銀行宇部支店に出向いて口座を開設し、税務署、宇部市役所、県税事務所などに書類を提出して、その結果を県民生活課に報告して全ての手続きを終えました。皆様のご協力誠に有り難うございました。
 さて、NPO法人まちよその会計年度は1999年度が2000年3月24日から5月31日で、2000年度は2000年6月1日から2001年5月31日ということになります。従って、1999年度は実質的には事業実績は無く、強いて言えば、継続して研究会活動を進めておりました住まい副読本・レシピの原案作成ということになります。6月からの2000年度事業は、今年から2年毎に実施する予定の手作り景観賞と住まい・まちづくりの各種研究会活動、そして循環型地域社会形成のための住まい・まちづくりのネットワーク、情報収集、活動支援などです。肝心の助成金ですが、副理事長東さんのご努力で手作り景観賞の実施に対して(財)山口県教育財団の助成金が付きました。また、研究会活動では、正会員・県河川課杉山さんのご努力で、河川流域研究会「河川流域の自然とまち並み形成の歴史と文化を学ぶ」に対して(財)河川環境管理財団の河川整備基金助成150万円(2年間)が決定しました。さらに、総合的学習研究に対して、(財)ハウジングアンドコミュニティー財団より90万円の助成が受けられることになりました。資金繰りに頭を悩ませていました事務局としましては、とりあえずホッとしたところです。ところで会員の入会状況ですが、6月10日現在で正会員(社員)は38名、サポート会員は個人が13名、団体が3社の合計54名です。目標の100名にはほど遠い状況ですが、助成事業を睨みながら徐々に会員を確保していきたいと考えております。皆様の助成事業情報、事業推進と併せて会員確保のご協力も重ねてお願い致します。
 さらに、環境教育を中心とした総合的学習研究会、福祉のまちづくり研究会、高齢者住宅研究会などの研究活動のほか、住環境・福祉機器支援ネットワークや山から住まいをネットワークする団体の情報収集など各地域でのまちづくり支援と絡めての支援活動を準備中です。そして、山口県建築士会・民家再生研究会、地元の山口大学、山口県立大学、山口芸術短期大学さらには東京大学、東京都立大学とも連携しながら、循環型地域社会を形成の柱でもある民家再生のための基盤づくりも行っております。
 以上のように、大変重要な難しいテーマを身の程もわきまえずに取り組もうとしております。会員の皆様は現業で十分ご多忙であると承知しておりますが、事務局の非力さを十分ご検察いただいて、少しでも重荷を担いでいただければ幸甚です。

編・集・後・記

NPO法人としての初めてのニュースレターです。全然変わっていないではないかと言われそうです。まったくそのとおりです。しかし、事業計画をご覧ください。大変幅が広がっています。これだけの事業をいったい誰がするのかといった声も上がっています。また、もともと対象としていた景観についての取組みが少なくなっているのではないかといった指摘もあります。これもまったくそのとおりです。ただ、私たち自身が主体となって循環型地域づくりを目指すことが、これからの景観づくりにも、そこで生活する人々にも繋がってくると考えています。
これだけの事業をこなすには、正直申して、片手間ではやれなくなってきています。だからといって職場を辞める訳にもいかず、少々悩んでいます。本来あるべき形とはならず、多くの方々にご迷惑をおかけすると思いますが、ご容赦のほどお願いします。
ご支援、ご協力のほど、重ねてお願いします。(A・.K)