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ニュースレター「まちよそ」24号
(目次)

私の感じたここちよい景観

「柿の木のある家」

庭の渋柿の実が今年も色づいた。例年になく枝先までびっしりと。 毎年干し柿にしてつるすのだが、こんなに多くては持て余す。 どうしようかと思っていたら、はるばる宇部まで 干し柿用の実を買い付けに来たという佐賀の農家の人が いつもは届かぬ梢の先の方まで、きれいにもいで帰った。 今年は台風の影響で品不足だという。 さてこの冬は、我が家の柿が佐賀産の干し柿にされて どこの人の口にはいるのだろう・・。

武田五一作品展・近代建築シンポを終えて…

10月2・3日と、「アートふる山口」開催中に企画した武田五一関連のイベント も、皆さんのご協力で無事に終了しました。どうもありがとうございました。 これら3つのイベントのうち、作品展には約300名、近代建築シンポジウムには 50名、そして管財課が実施した旧県会議事堂保存修理工事見学会は160名という 数字上の結果…。人数はやや物足りなかったものの、私たちにとってはたくさん の成果が得られた事業でした。 「作品展で、武田という建築家の存在を初めて知った。彼が関わった作品がたく さんあって、それがまだ全国に残っていることに驚いた。」「見学会では、保存 修理工事の、地味だけど時間をかけた丹念な仕事に感動した。」などの声も聞か れましたが、特に貴重な思い出となったのが近代建築シンポジウムだったのでは ないでしょうか。

最初の中川理先生のご講演では、山口県旧庁舎の建築史的な位置づけや武田作品 の持つ庶民的な魅力を語られ、「まちよそ」のような市民団体が各地で活躍して こそ近代建築保存の価値もあり、今後保存運動も広がりを見せるはずとの激励も 受けました。また、「武田五一記念展実行委員会」メンバーの円満字洋介さん、 小林淳男さん、中川理先生3人の「ギャラリートーク」は、笑いもあり和やかに 進行しましたが、内容はとても刺激的でした。…円満字さんはスケッチが上手 い!彼のディテール・スケッチをOHPに写し出しながらの解説は実に説得力があ った。「追っかけ武田五一」小林さんの観察眼には驚かされるばかり。建築探偵 の観察眼と豊富なデザインの知識にはずっとうならされた。そして、それらをう まく建築史学者の立場からやんわりとまとめられる中川先生…とにかく3人の絶 妙なコンビネーションで飽きさせない2時間でした。 また、私からの問題提起「1.岩国の臥竜橋は武田作品か」「2.旧県庁舎のデザイ ンルーツはウィーンの駅舎か」「3.旧県庁舎以後の山口の公共建築は武田の延長 か」に対し、武田研究家3名それぞれの立場からご意見をいただきました。ささ やかながら、山口での近代建築史に新たな光を与えていただいたような思いでお り、現在これらの内容をテープ起こし中です。近々報告書にまとめてお配りしま すので、会員の皆様どうぞお楽しみに…。   99/12/14記

“住教育・環境学習のレシピ” 大募集!

−「住まい副読本研究会」の活動−

研究会発足 持続可能な地域社会づくりを進めるためには、自主的な住まい手を育てることが なにより大切です。その意味からも、学校での住まい教育がとても重要となりま す。昨年、山口県宇部市の住宅マスタープランの策定に関わる中で、市内の中学 校の先生に住教育に熱心な方がいらっしゃるということを知りました。かねてよ り住教育に取り組んでみたいと思っていた私は、いい機会だと感じました。そこ で、岩田さんと相談して、世話人の了解のもと、住まい・まちづくりのNPO法 人の初仕事として「まちのよそおい・ネットワーク」で取り組むことにしまし た。かくして、中学生向けの住まい副読本の制作をめざして、いろんな分野の人 たちが集まって議論し、住教育のネットワークができればと、1999年8月、「住 まい副読本研究会」はスタートしました。

研究会での協議状況は

第1回のミーティングでは、参加者の問題意識を出し合う中で、住まいをもっと 真剣に考えるべきだといった皆さんの熱い思いが痛いほど伝わってきました。助 成が受けられれば印刷までしましょうということで、中学生向けの住まい副読本 を検討することにしました。 ところが、2回目のミーティングで、(1)体験型プログラムを中心とし、必要があ れば指導者を派遣することができること(2)色々あるテーマ、プログラムの中か ら、教師(料理人)が自由に選択したり、組み合わせたりすることができること (この意味で“住教育・環境学習のレシピ”と呼ぶことにしました。)(3)だれも が自由に使えること(4)継続的なフォローアップができることの4点を特徴とする 「中学生を対象にした住教育・環境学習(豊かな暮らし)のレシピづくり」をし ようということになったのです。また、レシピを考えるための視点としては、(1)“楽しさ”があること(参加したくなる)(2)“結果ではなく、考える過程”が大 事にされていること(3)“豊かに暮らす”ためのヒントになることとしました。顧 問の方々にも提案をお願いした結果、30以上のレシピが集まりました。 さて、3回目のミーティングでは、新たに4人の先生が参加され、計5人の中学 校家庭科の先生を前に、レシピの説明をすることになりました。学校現場を肌身 で感じていない者によるレシピであったことや一方的な説明であったためか、先 生方の反応はイマイチでした。しかも、ある先生から、「みんなやる気のある生 徒ばかりであればいいのですが、現実はそうではないのですよ」といった学校に おける厳しい現状が出されました。まったくそのとおりだと思います。しかし、 なんとかしなければと思える現実がある限り、少しでも打ち破っていくことが重 要なのではないでしょうか。その方法として、体験型学習のすすめ、生徒の自主 性に基づく選択制の導入、バックアップ体制(先生以外の講師、学校以外の施設 など)の整備、実際のまちづくりへの参加などを提案させていただきました。も ちろん、先生だけでなく私たち大人みんなで考える必要があります(学校教育を 先生だけに押しつけてきたきらいがあるのではないでしょうか。様々な専門家が 関わる必要があると思われます。)。一朝一夕というわけにはまいりませんが、 じっくり時間をかけて、みんなでネットワークづくりを進めたいと考えていま す。

“住教育・環境学習のレシピ” 大募集

私たちのレシピづくりに近いものは、すでに出版されていました。また、いろん な学校で取り組まれています。ただ、違いを強いて挙げるとすれば、私たちが目 指しているものは、これらよりは少し範囲が広く、地域の資源でフォローアップ する体制整備も併せて行っていこうとしている点や全国に公開し実践の成果を還 していただこうとしている点にあります。様々な分野の方々が協力して、よりい いものにし、現実の学校での住教育・環境学習で活用されるものにできればと考 えています。 そこで、お願いです。皆様が考えられた住教育・環境学習のレシピ(プログラム)を送っていただけませんでしょうか。よろしくお願いします。

NPO法人設立発起人会を終えて

1999年11月6日、山口芸術短期大学において、記念すべき「まちのよそお い・ネットワーク」NPO法人設立発起人会を迎えることができました。この日 までに、会員(社員)として加入された方が28名でしたが、その後2名加入い ただき、現在30名です。当日の出席者は15名でした。会員構成は公務員と民 間人が約半々で、専門も技術職だけでなく事務職の方さらに地元の大学から山口 芸短大の福田東亜教授はじめ、山口大工学部の中園眞人教授そして顧問として藤 本昌也教授にも入っていただきました。1997年秋実施したまちよそ一大イベ ント大寧寺景観セミナーあとの虚脱感の中で、東さんからNPO法人設立の熱い 思いを語られたときから早や3年越しになろうとしていたときでした。 東さんの熱病をうつされて1年後、転勤で関東に行っておりましたがNPO熱が 冷めず、今年の5月末で選択定年退職して地元宇部で自分の会社(建築設計事務 所=NPO法人事務局、理事)を起こし、福田教授(理事長)、東さん(副理事 長)、内平さん(監事)そしてまちよその皆さん(社員)の後押しを頂いて、半 年後にNPO法人設立発起人会、そして11月25日、山口県知事あてにNPO 法人の認証申請の運びとなりました。 自分の会社も未だ立ち上がっておりませんから、とても偉そうなことは言えませ んが、今はサラリーマン時代には味わえなかった何とも言えない充実感がありま す。順調にいけば来年3月にはNPO法人として認証いただき、本格的にNPO 法人まちよそがスタートいたします。それまでに、会員募集、事業計画立案、事 務所の整備、ネットワークの強化などまだまだやらなければならないことが山積 しております。皆さんのお力添えを何卒よろしくお願い致します。

ところで、NPO法人認証前に宇部市との共催で「市民参加の住まい・まちづく りシンポジウム」を開催することになりました。現在、宇部市立常盤中学校の鮎 川先生、漫画家の上大岡トメさんそして、まちよそのメンバーも多数参加されて いる住まい副読本研究会と一緒に、シンポジウムで配布する「中学生向け住まい 副読本」を制作中です。来年2月19日(土)宇部市琴芝町シルバーふれあいセ ンターでPM1時30分の開講です。この事業がNPO法人まちよその実質的な スタートになると思います。事務局が甚だ未熟で、能力的にも至らないところが 多々あります。今後とも皆さんの暖かいご支援とご鞭撻を何卒よろしくお願い致 します。

編集後記

本年度の主要事業である「武田五一作品展・近代建築シンポ」は、原田さんのご 尽力で、無事終了しました。事業の企画から、費用の確保、先方との交渉などな ど、お疲れさまでした。また、岩田さんのご奮闘により、NPO法人をにらんだ 活動が展開されつつあります。来年2月19日には、宇部市との共催で、住まい・ まちづくりのシンポジウムも開催します。ご支援ください。  2000年が皆様にとりまして幸多き年となりますよう! いい年をお迎えくださ い。 (孝)