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ニュースレター(第22号)



私の感じたここちよい景観

入江直子  小さな公園がある。四方をスーパーや飲食店のビルに囲まれた「青空公園」。柵もフェンスも鬱蒼とした植栽も省かれた開放的な空間には、いつからここにあるのだろうと思うような楠やイチ ョウの大木が木陰を作ってくれる。風が吹けば、葉っぱがサワサワと音をたて、木漏れ日が揺れ、五感をここちよく くすぐってくれる。  街の中の緑は、作為的ではあるけれど、計画的ではあるけれど、そこには人々が求める潤いや憩いがある。それが 公園という空間を造るとき、人々の生活にナチュラルに絡んでゆく。絡んでゆくから、その空間の作為が、逆に自然 なここちよさを生み出すのかもしれない。この公園は繁華街の真ん中にあるせいか、いつも人がいて、人々の生活が見える。朝、通学の学生が横切る。昼、買い物袋を持ったおばちゃんが通る。小さな子供達を遊ばせながら、若いお母さん たちがベンチでおしゃべりしている。ここでも公園デビューがあるのだろうか。夕方のベンチには制服姿の二人、あ っちのベンチでは学生がたむろする。夕暮れ時からは、ギターのチューニングをする高校生も現れる。去年までここ でギターを弾いていた子は、この春から福岡の音楽学校へ行ったそうだ。夢の一歩が始まったようだ。飲食店の灯り と公園の街灯が馴染む頃、ほろ酔い加減のおじさんたちが気持ちよさそうに公園を横切って家路をたどる。公園の一 日が終わる。



1999年度はこんな活動をします

 今年度は、私たちの中心となる事業である“手作り景観賞”を実施しない年度です。ではいったなにをするのか。 最大の事業は、NPO法人化です。今年度中に、「特定非営利活動法人まちのよそおい・ネットワーク」の認証を受 けたいと考えています。そのほか、原田正彦さんを中心に、旧山口県庁舎をデザインした武田五一関連のイベントを 行います。また、岩田真次さんと東を中心に、中高校生向けの住まいの副読本を制作することにしています。今年度 も結構忙しい日が続きそうです。 引き続き、皆様のご支援、ご協力を賜わりますよう、よろしくお願いします。 NPO法人の認証を受けます  世話人内での議論を踏まえて、岩田真次さんを中心に、年度内に、NPO法人の認証が受けられるよう諸準備を進 めます。皆様の忌憚のないご意見、ご提言をお待ちしています。 武田五一展関連イベントを開催します  旧山口県庁舎をデザインしたといわれる武田五一の作品展を「アートふる山口」の開催に合わせて、10月2日〜9 日の間開催します。このイベントは、原田さんのご尽力によるもので、武田五一記念展実行委員会のご協力を得て実現する ものです。山口市の「市政70周年記念文化事業」にも応募しています。作品展に合わせて、講演会や見学会なども開 催したいと考えています。ご期待ください。 中高校生向けの住まいの副読本の制作  生活の基本は衣食住と言われているものの、日本における住の認識は極めて低い状態にあります。一方、持続可能 な社会を実現するためには、環境問題への取組みは不可欠です。このため、日常生活の中から環境問題に取り組める よう、中高校時代に、住まいを通じて環境問題を考えておくことが大切です。そこで、中高校生向け住まい副読本の 制作に取り組むことにします。併せて、住教育を考えるためのネットワークづくりを目指す。NPO法人(準備会) としての初仕事として取り組むものです。多くの方々のご協力をお待ちしています。 毎月開催しているミーティングの内容を変更しています  1998年度より、毎月開催しているミーティングの内容を少し変更しています。サロン性を一層強め、意見の発表や 議論できる場としています。どなたでも参加自由です。お気軽にお立ち寄りください。お待ちしています。 ○開催日・時刻:毎月第3土曜日 18:30 〜 21:00(予定) ○会場: 山口芸術短期大学 教室(2F) 引き続き、ニュースレターの発行や活動報告書の作成も                              (文責:東孝次)



住まい・まちづくりNPO法人を目指します

世話人  東 孝次 まちのよそおい・ネットワーク(以下「まちよそ」とします。)のNPO法人化について、なぜ法人化したいのか、 今までのまちよそとの関係はどうなるのかといった疑問にお答えしたいと思います。 なぜNPO法人を目指すの 私はちはこれからの時代をどうとらえていったらよいのでしょう。まずこのことを考えてみたいと思います。 私たちは、よりよい生活を求めて、産業革命以来、分業化・専門化を進めてきました。多くの人々の努力によって、 私たちは物質的な豊かさを享受することができるようになりましたし、科学技術を目覚ましい勢いで発達させること もできました。このようにして、私たちは高度な文明社会を築くことができたのです。しかし、この分業化・専門化 には、多くの優位性がある反面、大きな限界もあることに気が付かなかったのです。高度経済成長が行き詰まった今 日、私たちは分業化・専門化の欠陥に気付きはじめました。例えば、施設整備に当たっては、専門家だけに任せるの ではなく、計画段階から使い手とつくり手が同じテーブルに付いて、じっくりと議論し、いろんな人々の思いを形に していかなければならないと考えるようになったのです。人間としての視点を取り入れていくことがなにより大切で あることに思い至ったのです。私たちは、分業化・専門化により手にした高度な文明社会の中で、統合化・総合化を 進め、両者の融合を図りながら、高度な文化社会をつくっていく必要があります。21世紀の持続可能な社会を求め て、すべての人々が人間として生まれてきた喜びを共感できるまちづくりを実現していく必要があると考えていま す。 いわゆNPO法は昨年12月施行されたばかりで、NPO法人化することには当面メリットはあまりないと考えていま す。ただ、情報をすべて公開して私たちの心意気を示すといったことや具体的な活動を通じてのPR、さらには市民 活動の門戸を開くために少しでも協力するといったことにあるのではないかと考えています。実は、NPO法人化は 私たちに大きな負担を要求します。しかし、これからの時代を睨めばそれもやむを得ないのではないでしょうか。道 ができてから歩むことも可能ですが、先の光を求めて、道なき道を目指すこともいいのではないかと思っています。 いつの時代も、その必要性を感じた者が切り開いていかざるを得ないのではないかと思っています。そのことには、 辛さや苦しさも伴いますが、同時にいろんな方との出会いもあり、それにまさる喜びもあります。それにNPO法人 なら行政に代わって、市民サイドに立ったことが色々できそうに思えます。今行政がやっていることの中に、NPO 法人だったらもっとうまくできるのにと思うこともたくさんあります。もちろん行政の単なる下請けになってはなり ません。行政と対等な立場である必要があります。ぜひ一緒にNPO法人を目指しましょう。 今までのまちよそとの関係はどうなるの 次に、今までのまちよそとの関係について考えてみましょう。まちよそのNPO法人化に難色を示される世話人の方 がかなりいらっしゃったので、まちよそとは別の組織としなければならないかなと思っていました。別の組織とは言 え、まちよその事務局を引き受けると手を挙げてくださる世話人は出てきませんでした。したがって、私の中では、 組織としては別なのですが、事務局が同一であることから、実質は1つの組織でした。このため、大変な混乱があり ました。しかし、6月19日のミーティングですっきりすることができました。以前、私はNPO法人化する目的とし て、今までのまちよその活動を離れて、NPOのセンターをめざしたいと言ったことがありました(「山口NPOサ ポートネットワーク」が誕生したことで、私の気持ちの中では、その必要がなくなり、まちよその活動をより実践的 にするためにNPO法人にするのだと思っていました。)。従来のまちよその活動を継承するのであれば、NPO法 人化はまちよその発展解消したものと考えていいのではないかと言っていただきました。私自身としては大変すっき りすることができました。ありがとうございました。 まちよそのNPO法人化の過程で、今まで協力してくださった方々の中に、離れていかれる人も出てくるかもしれま せん。残念だとは思いつつも、グループの1つの発展過程として、それもやむを得ないのかなと考えています。これ からの時代がどのような時代になっていくのかということを見通しながら、一緒にNPO法人をめざしたいと思って います。引き続きご協力、ご指導を賜りますようお願いします。

NPO法人設立に寄せて

世話人  岩田真次 私がNPO(非営利組織)に関心を持ち出したのは、まちのよそおい・ネットワーク(まちよそ)のメンバーに加え ていただいた3年前です。地域社会の活性化、歴史景観の見直し、市民参加のまちづくりなど皆さんとの対話のなか で、岡村さんから「景観の議論も大切だが、まちよそ7年間の研究成果を実践に移す段階では」との提案があり、東 さんから「NPOをやりませか」とささやかれたその一言が私の人生を狂わせて?しまいました。 それから、3年後NPO熱にうなされたまま、とうとう33年間勤めた最愛の会社を退社するはめになってしまった のです。馬鹿だ、無謀だ、早まるな、…、アンタハエライ等々皆さんから様々なご忠告や励ましがありましたが、昔 で言う55歳定年退職(選択)の機会に、会社の温かいご配慮のもと、円満退社をお許し願うことができました。 勿論単にNPO熱だけが退社の理由ではありません。地元の皆さんや大学の先生、学生さんと共同で作業し開催でき た大寧寺の景観セミナーやその間のまちよその皆さんの心温まるご支援ご協力など景観に優れたまちづくりへの熱き 思いが、私の躊躇する気持ちを後押しして飛び降りさせていただいたことも事実です。 一昨年12月NPOの法人化が認可されて以来、本年4月末現在で全国533件申請、162件が法人として認証さ れております。認証内容は以下に示す通りで、分野別では、一位「保健・医療・福祉」、二位「まちづくり」、三位 「子どもの健全育成」の順となっています。(山口県の状況は、5月31日現在で5団体が認証を受けており、「子ど もの健全育成」3件、「保健・医療・福祉」2件となっています。) 現在、まちよそとしては東さんと一緒に「まちづくり」の分野で平成11年度認証を目指してNPO法人認証申請を 準備中です。そのため、宇部市西岐波宇部興産中央病院裏にあります通産省NEDOプロジェクト「ウェルフェアテ クノハウス宇部」の2階事務室で研究業務の傍ら、申請書類作成と法人として必要な理事3名、監事1名、社員10 名、会員10名以上の勧誘と募集を行っております。毎月後半(15日から31日)は土日祭日に関わらず毎日9時 から17時までここに詰めておりますのでお気軽にご来場下さい。 皆さんご一緒にNPO法人化を目指しましょう!


あとがき

 昨年度に続き、本年度も「生涯学習活動グループ助成事業」の対象事業となりました  昨年度に引き続き、財団法人山口県教育財団の実施する「生涯学習活動グループ助成事業」に応募しました。昨年 度は10万円の助成金でしたが、今年度は15万円の助成が受けられることになりました。有効に活用してまいりたいと 考えています。