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ニュースレター


第17号
 私の感じたここちよい景観 津田伸子
 
特集 大寧寺の修景計画づくり
   大寧寺修景計画の作業日誌 岩田真次
   「景観セミナーin大寧寺」を開催します
 
 念願のホームページを開設しました
 ホームページのデザインを募集します
 編集後記



私の感じたここちよい景観 津田伸子
宅配便の青年が、背中に段ポールの荷物をいくつも背負い、狭くて急勾配の階段状の路地を登って行く一一。最近目にした某運送会社のCMの1シーンである。舞台となっているのは尾道。このまちのほとんどの路地は、車はおろかバイクも通れないようなこんな石畳の階段の坂道である。確かに歩くしか手段がないのだ。いくつもの細い路地がカーブしながら迷路のように繋がり、なかには人がすれちがうのも難しいほど狭い道もある。旅人として訪れた私にはそんな人間的なスケールの路地がとても魅力的だった。一歩一歩登る度にゆっくり視点が変化して行き、その先のまちなみがすこしずつ見えてくる。思いがけないところで眺望が開け、家々の屋根見越しに光る海が見える。引き込まれるように次の路地へと足が進み、急な登り下りの連続も苦にならない。
だが、日々の生活となると大変だろう。例のCMのように車社会に慣れた私たちには考えられない「不便さ』も生じるわけである。けれどもその「不便さ」が作り出すふれあいもある。CMの中では荷物を屈けてもらった家の人が、青年に「少し休んでいきなさい。」と声をかけていギすれちがう見知らぬ同志にも、路地の狭さが自然に挨拶をうながす。私も階段で杖にすがって休んでいるお年寄りに、思わず言葉をかけたのを憶えている。車の通らない路地は、子供たちの格好の遊び場にもなってくれることだろう。よく見ると足元の綺麗な石畳は近年になって敷き直されている様子である。このまちの人々は「不便さ」をあたりまえのこととして受け入れ、むしろそれがまちへの愛着となっているようだ。そんな人々の気持ちが訪れる者に伝わって、この街をより魅力的に見せているのかも知れない。



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特集     大寧寺の修景計画づくり前号(16号)でご報告してから後の大寧寺修景計画の作業状況を、岩田さんの作成した資料に基づき報告します。6月21−22日(1泊2日)、「まちのよそおいセミナーin大寧寺」を開催しました
大寧寺住職でもあり山口県立大学教授でもある岩田住職に「大寧寺の歴史を語る」と題して、大内氏、毛利氏と大寧寺の歴史的経緯を説明していただきました。大寧寺の隆盛時には西日本各地に勢力圏がおよび、修業僧も200名に達したといいます。また本堂、伽藍、回廊、山門、庭園などの構えは中国・廬山に凝して配置されており、当時の偉容はわずかに山門の礎石に偲ばれます。さらに大寧寺は研修道場として地方の大学の役割を果たしており、また湯治場湯本温泉の管轄寺として、地域の経済活動の中心的役割も担っているとのことでした。山門の復元など境内の景観整備に熱い思いを語られました。 続いて、長門市教育委員会文化財保護指導員の中野良彦氏に「大寧寺の文化財を語る」と題して、大寧を中心に歴史的背景にもとづく長門深川の文化財を説明していただきました。大寧寺本堂、境内、大内主従の墓所など県指定の文化財のほか市指定の大寧寺の梵鐘、防良三奇橋の一つである盤石橋など長門深川は数多くの有形、無形文化財の宝庫である、西の高野山と言われるほど墓地には関東管領上杉憲実をはじめ約300基におよぶ様々な形の墓石があり、さながら「墓石の博物館」である、歴史的に貴重な文化遺産が多数理もれており、これらの活用が課題であるといったお話を伺いました。
 最後に、長門市立深川中学校大畑分校の藤永禎史先生に「源氏ほたるのはなし」と題して、ホタルの生息環境づくりの実践活動を通して、ホタルの生態系を説明していただきました。自然型工法による川づくりが環境形成の根幹であり、このため、石木などの自然素材や柳などの植物護岸を可能な限り活用し、水質保全を図り親水河川のイメージづくりを行う、川沿いの並木、緑道や柳枝工護岸により、
グリーンベルトの河川景観を構成し、地域における水と緑の軸線を形成することなども必要である、ホタルの生息環境は自然環境に恵まれた人間の生活圏でもあり、良好な生活環境条件の目安となるなどといったお話を聞きました。 講座終了後、参加者全員で大寧寺境内、湯本温泉、萩焼深川窯を探索しました。 その後、湯本温泉で汗を流し、大寧寺で精進料理の夕食懇談を行い、その途中で藤水先生の案内により大寧寺川でホタル鑑賞、暫し非日常的なすばらしい幻想空間を体験することができました。  やや参加者カが少なくなった次の日は、参加者を2グループに分けて、大寧寺周辺の景観整備を検討しました。境内の駐車場、本堂へのアプローチの整備および本堂を中心にした山水による伽藍配置等の2案が提案され、住職をはじめ参加者の前で説明されました。  7月には、18日〜20日(2泊3日)で「デザインサーベイi n大寧寺」を開催しました。 梅雨明けの炎天下で3日間、数人の世話人と山口大工学部中園研究室の皆さんで境内や墓所の実測調査を行いました。お陰様で、感動するような配置図ができあがりました。中園研究室の皆さん、本当にお疲れ様でした。
実測調査の合間をぬって、地元の方にお集まりいただき、当面の修景計画素案について説明し、意見交換会を開催しました。文化財の整備に対する戸惑いはあるものの、地域の活性化に強い熱意が感じられ、修景計画案への期待の大きさを痛感しました。また、中園教授の「石畳のワークショップ(地元と会員で参道の石畳を敷設する)」は、本テーマに
取り組む基本的、具体的な姿勢を示すものとして、デザインサーベイの締め括りに相応しい提案になりました。 文頭へ大寧寺修景計画の作業日誌
その後の作業状況を、岩田さんに報告していただきました。  修景計画の作成作業は8月1日から中園教授、岩本助手のご指導のもとに、県庁の東さん、宇部市役所の佐々木、柳川さん及び瀬口さんと一緒に、引き続き山口大学工学部・中園研究室において継続しております。 この間、8月10日には再度中園研究室の皆さん、瀬口さんと境内および墓地の測量を実施しました。また、9月10日は、東さんと大寧寺で南条踊りを見学し、踊りが奉納される赤崎社、飯山八幡宮を訪ねました。赤崎社では平日にも関わらず地元だけの神楽祭が行われており、近くにある本宮の八幡宮では宮司さんに鷲頭氏や社寺に関わる歴史的背景と湊・妙見社の由来を伺うことができました。
 このほか、休日は宇部市立図書館で関係市町村の歴史書のサーベイをやりながら、長門市、下松市の史跡を訪ねて、大寧寺に纏わる歴史的な事象を調べております。現在、これらの測定データや調査資料をもとに、中園研究室でCADによる大寧寺の現況図と修景計画図を作成中です。当初、計画図は手書きのパースを中心に考えておりましたが、作業担当者が一堂に会して作業する時間が限られますので、整合性と重ね合わせの作図が容易で
あるCADでの作業と相成りました。最新の技法でいささか面食らってはおりますが、何とか期限までに形にすべく頑張っております。 毎週水曜日の18時からと土曜日の午後は中園研究室で修景作業をやっておりますので、サポートを何卒宜しくお願いします。 なお、自宅では国土地理院の2万5千分のl、5万分のl、20万分の1の山口県地形図を部屋一杯に 広げて、大寧寺本堂の軸線(東南東約30度)にある社寺、古墳などの史跡を毎日眺めております。この間、地図上で発見した大内一族や日置族さらに大寧寺の歴史に関わるのではないかと思われる軸線上(付近も含む)の史跡を以下列挙します。北から、
  • 油谷町:道元山、二等院、人丸神社  
  • 日置町:堀田遺跡、大内山、妙見山、雨乞岳  
  • 長門市:妙見山、湊、板持(長門廃寺)、飯山八幡宮、赤崎神社、殿舎  
  • 美東町:長登、殿ケ浴、雨乞山  
  • 山口市:凌雲寺、法泉寺、瑠璃光寺、氷上神社  
  • 徳山市:竜文寺  下松市:北斗町、鷲頭山、隆松神社、妙見橋、茶臼山  
  • 平生町:百済部、大里山

歴史書や文献等であきらかに大寧寺の歴史に関係すると思われる史跡以外の推定や憶測によるものについては、必ず現地に行って所在を確認するとともに、社寺や史跡を訪ねて由緒や地形の観察を行っています。初めて行くところがほとんどですから、現地では地図を片手に車で右往左往しております。ご興味のおありの方は、昼食代を持ちますのでナビゲーター役としての同行を歓迎します。 上記のほかに、大寧寺に纏わる情報をお持ちの方は是非 TEL&FAX(0836−32−8202)又はE−メール(iwata218@ymg.urban.ne.jp)に連絡をお願いいたします。


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「景観セミナーin大寧寺」を開催します本年度の重点取組である大寧寺修景計画の発表会を次の要領により開催します。ご多忙だと存じますが、万障繰り合わせの上、ご参加くださいますようお願いします。また興味を持ってもらえそうな方にも声をかけていただき、ご一緒にご出席くださるよう、重ねてお願いします。

景観セミナーin大寧寺 ご案内
NHK大河ドラマ「毛利就元」でも登場した大内義隆終焉の地大寧寺で、大内文化と歴史景観について考えてみませんか。 多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
  1. 日時  平成9年11月30日(日)  13:30 〜 16:30 (13:00から受付を開始します。)
  2. 会場   大寧寺・本堂(長門市湯本温泉 TEL:0837-25-3469)
  3. テーマ  大内文化と大寧寺を考える
  4. 主催   まちのよそおい・ネットワーク (“景観”をキーワードにまちづくりを考える市民グループです。)
  5. 内容   経過説明  基調講演 「大内文化と大寧寺の歴史」  講師    河野良輔山口県立美術館館長  大寧寺修景計画の提案  休憩…たて笛の演奏と抹茶のサービス  パネルディスカッション         「歴史景観を現代にどう活かすか」 パネラー(敬称略、五十音順)  岩田啓靖(大寧寺住職、山口県立大学・教授)  河野良輔(山口県立美術館・館長)  田原陶兵衛(大寧寺檀家総代、萩焼作家)(交渉中)  中園眞人(山口大学・教授) 山根満広(山根建築設計事務所・所長) コーディネーター  福田東亜(山口芸術短期大学・教授)
  6. 参加費   無料

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念願のホームページを開設しました!
瀬口さんのご努力で、念願のホームページを開設しました。URLと掲載内容  は次のとおりです。内容をより充実したものにしたいと考えていますので、ご  意見、ご感想をお聞かせください。 ホームページのURL:http://www.joho-yamaguchi.or.jp/seguchi/matiyoso/ 掲載内容   
  • どんなグループなの?
  • どんな活動をしてきたの?
  • 今年度の重点的な取組は?
  • どのような作品が入賞したの?
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  • 連絡先
    ホームページのデザインを募集します「ホームページの第一画面」のデザインを次の要領により募集します。 会員の皆さんの積極的な応募をお待ちしています! ・体裁   どのようなものでも結構です。
    • 応募形式 Eメール又は郵送にて提出してください。
    • 締切   1997年12月25日(木)
    • 審査   1月のミーティングに出席した世話人により、厳正に審査します。
    • 賞品   優秀作品(3点程度)の応募者にはオリジナルテレフオンガード(50度2枚1組)を差し上げます。
      文頭へ
    編集後記
    今回は、本年度の重点取組である大寧寺の修景計画の作業状況を特集としてご報告させてい ただきました。その第一段階の締め括りである「景観セミナーin大事寺」を開催します。万障 繰り合わせの上、ご参加をお願いします。  また念願のホームページを開設しました。ご感想、ご意見をお寄せください。ホームページ の第一頁のデザインを募集しています。皆様のご応募をお待ちしています。