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ニュースレター

  1. ホタルのいる風景
  2. 1997年度はこんなことを計画しています
  3. ミーティング in 大寧寺
   

ホタルのいる風景

   家から少し歩いた道に沿って仁保川が流れる。 静かな夜に川のせせらぎとカジカの声。小さくてやわらかな光が動く。 去年のことを思い出す。もっとずっと上流の方まで探しに行った。 そこは光のトンネル、天然イルミネーションだ。 思わず口を開けたまま何も言えず、ほのかな光の集合体の中に今の目分は とても小さく感じた。 ホタルって、じっとしてお尻の光をチカチカさせるだけのおとなしい生き 物と思っていたら、実はしっかり自己アピールをしている。ぴゅんびゅん、 すごいスピードで空高く舞い上がるものもいれば、ふ〜わふ〜わ、マイペ ースで川から離れて山奥に迷い込んでしまいそうなものもいる。皆でいっ せいに光って一瞬の暗間、そんなりズムもある。そういうホタルも深夜に なれば静かに寝てしまう。  真っ黒な暗闇を怖がる私たちも、そこに灯される光には安心するのだろ うか? 昼間はごみごみとして雑多な所でも、何万ドルかの夜景は美しい といわれる。それだけ人がそこに住んでいる。ホタルのいる夜の風景も、 小さく動くその光たちには心魅かれる。それだけ自然がそこにある。  どちらも一生懸命生きている。 ひとつのまちが何万ドルかの夜景をつくったとしても、ホタルが迷い込ん できそうなそんな心地よい景観であってほしい。                           たかはし ちさ
文頭

1997年度はこんなことを計画しています

     当初、2年ないし3年ごとに実施しようと始めた"手作り景観賞"ですが、 さまざまな方のご協力を得ながら、毎年行ってきました。世話人にも疲れ が見られ、自らの活動の見直しを行う必要があるのではないかと考えまし た。このため今年度については、私たちの主要な活動である”手作り景観 賞”を実施しないことにします。しかし、ご安心ください。私たちの活動 を中止するということではありません。例年とは少し違った形で活動を展 開してみたいと思っているだけです。ゆっくり活動を振り返ってみたいと 思っていましたが、結構ハードな計画となっています。今年度は、”自ら が手足を動かして、ものづくりに関わろう!”をモットーに頑張りたいと 思っています。引き続き、皆様のご支援、ご協力を賜わりますよう、よろ しくお願いします。

"景観セミナー"の開催

   大寧寺の岩田住職(山口県立大学教授)の全面的な協力を得ながら、大寧 寺周辺の修景計画案づくりをセミナー形式で実施します。具体的には、地 元市民、学生、世話人等によるワークショップ手法を活用した共同作業に より修景計画案づくりを行おうというものです。6月に、1泊2日のセミ ナーを開催し、修景計画案づくりの基本的な考え方と今後の進め方につい て検討します。その後、プレゼンテーションのための作業を行い、9月開 催予定の”まちのよそおい講座 part7”で成果の発表を行う予定にして います。併せてパネラーによる講評も受けます。再修正した後、地元長門 市で発表会を行う予定です。かねてより各地へ出向いてセミナーを開催す べきではといった提案が世話人からありました。 今回の企画は、その趣旨に沿ったものでもあります。少しハードですが、 面白い展開が期待できそうです。

"まちのよそおい講座"の開催

私たちの活動の1つに市民の方と一緒に考えるということがあります。 そのため、さまざまな機会をとらえて、"まちのよそおい講座"を開催する ことが重要です。例年ですと"手作り景観賞"の準備のため開催できません が、今年度については2回開きたいと考えています。 6月、宇部市の廣澤邸でオーストラリアのアーティスト サム・ディ・マ ウロさんの個展が開かれるということで、「住んでみたいな、こんな街」 と題してワークショップ手法により紙粘土で手を動かしながら考えみたい と思います。(既に開催済み。マウロさんにより西洋風なワークショップ を展開していただきました。延べで50名近い参加があり、好評でした。) さらに、9月、景観セミナーの成果発表を兼ねて、「大内文化と大寧寺の 景観を考える」(仮題)を大寧寺での開催を計画しています。修景計画案 の発表とパネルディスカッションを行う予定です。 多くの皆様のご参加をお待ちしています。

"シンポジウム"の開催

私たちの活動を振り返って考えたいということから「まちのよそおいって なに」(仮題)と題するシンポジウムあるいはパネルディスカッションを 来年の2月ごろ開催したいと考えています。原点に返って私たちの活動を 振り返ってみたいと思っています。皆様のご意見、ご提言をお待ちしてい ます。

引き続き、ニュースレターの発行や活動報告書の作成も

会員の皆様への情報紙であるニュースレターについては、毎年同様、3回 発行する予定です。また活動報告書についても、引き続き作成したいと思 っています。

さらに、インターネットによるPR方法の検討も

インターネットによる情報提供が行えるようにしました。その活用方法等 についてはこれから検討してまいります。皆様からのアイデア、ご意見、 ご感想をお待ちしています。

昨年に引き続き、デザインセミナー(視察研修)に参加

(財)山口・防府地域工芸地場産業振興センターが行う「デザインセミナー (視察研修)」に積極的に参加することにしています。今年は、10月25〜 26日に開催されます。視察先は大分県湯布院、山国町です。募集人員に限 りがありますので、早めに申し込みください。   (文責:東孝次)
文頭

ミーティングin大寧寺          ー大寧寺の景観調査ー

●日時  平成9年5月18日(日)9時〜16時
●場所  長門市深川大寧寺〜日置町Yuiの家
●天気  晴れ時々曇り  久しぶりの野外活動のためか参加者は19名と盛況で時間前に全員集合。 メンバーもいつもと違いグット若返って(お子さん4名の参加あり)、集合 場所の芸短前はなんだか遠足にでも行くかのように華やいだ雰囲気 ・・・さあ出発。

大寧寺まで1時間少々で到着。全員揃ったところで本堂隣の書院に上がり、 ご多忙な住職のピンチヒッター役を奥様にお願いして大寧寺の歴史を神妙に 拝聴。土産も持参しないのにお茶にお菓子を頂戴して、結構あつかましく質 問多々。

大寧寺  鷲頭弘忠(大内氏一族)創建(1410年、室町時代) 曹洞宗中国三 ヶ寺の一つ(山口・瑠璃光寺、徳山・竜文寺)

永平寺ー総持寺の直末 現住職第53代目 研修所最盛期200名修 行僧 鹿、狐出没 源氏ほたる名所  説明のあと、思い思いに(勝手に)大寧寺本堂と境内を散策。  本堂には江戸時代の寺院の古図があり、嘗ての寺院の偉容と栄華が偲ばれ、 大内氏滅亡とともに衰退した寺院の栄枯盛衰をまのあたりにして少々しんみり。 主君大内義隆自刃のとき重臣冷泉隆豊が割腹し、腸を天井に投げつけたという 血のりあとを、焼け落ちた筈なのに一生懸命探したが見つからず。そのかわり 本堂の焼けた柱の残骸が現在なお天井からぶらさげてある。この柱をかじる? と健康になるとか。

お祈りもせず賽銭もあげずに本堂から境内へ。
境内は山門跡の礎石と緑豊かな大木が生い茂り、見事な自然が一杯。とくに、 防長三奇橋の盤石橋から見通す本堂までの景観は素晴らしい。大寧寺川沿いに 義隆ゆかりの兜掛け岩、姿見の池があり、本堂裏山には義隆主従の墓地がひっ そりと佇んでいる。とにかく景観要素は豊富。
少々空腹を感じ出した昼前から車で、途中の湯本温泉街を横目で見ながら約 2km南東に移動して萩焼・深川窯を訪ねた。観光地化されず自然のままの佇 まいに全員押し黙って淡々と歩く。(空腹のせい?)

深川窯  豊臣秀吉朝鮮出兵・毛利輝元(元就の孫)が李朝陶工(李勺光、李 敬兄弟)を招来1592年広島〜1604年萩
(李敬)〜1653年深川(李勺光・子弟ー田原陶兵衛、新庄寒山、坂倉 新兵衛、坂田泥華の4窯元)  大自然を満喫したあと、お待ちかねの日置町・Yuiの家に向かい、20分 程で到着。早速昼食して休憩。青海島を望む素敵な日本海の眺望に心から頭ま で洗われて、大寧寺の景観をすっかり忘れそうになったところでミーティング。 全員から活発な意見が出されました。

意見を集約すると以下のようです。
  • いまの自然の雰囲気を壊さずに、駐車場やアプローチを重点的に整理したい。 寺、窯元は現状のよそおいを保ち、観光地化を避け、サインやパンフレット を工夫 して連携を。
  • 川沿いの回遊動線などの親水性と歴史・由来などの物語性が境内にほしい。
落ち着いた印象、あまり手を着けたくない、いい物が残されているが生かさ れていないというところがほぼ全員の一致した感想でした。尚、嘗て地方の大 学の役割を担った大寧寺を研修の場として再現したら、境内に湯豆腐のお茶屋 を、鹿を飼い慣らす・・・など少数意見ですが個人的思い入れ発言もあったこ とを申し添えます。  その後、6月8日(日)のサム・デイ・マウロ展でのワークショップの運営 方法などを話し合い、昼食時のビールの酔いも醒めた午後4時過ぎ、全員感想 文を提出して現地解散となりました。  ご苦労様でした。   (文責:岩田) 文頭