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ニュースレター 第5号

こんな住まい方(中尾史江)

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こんな住まい方    中尾史江
<  何故か森への憧れを抱き続けていた女は、20年ほど前ささやかな家を建てた際、さして広くもない庭をせめて林にしようと、これ又何故か土を掘り返すことの好きな夫に、欅、樟、山桜、カナダ楓、南京ハゼ、ポプラ、セタセコイア等々成長の早い樹をあれこれ植えてもらった。以来、南と野原に面した庭は人も驚く雑木林立地となった。高々と成長した樹々は、新緑、緑陰、木漏日、紅葉、落葉、冬枯れ等々、四季折々の姿で住人を楽しませた。
 やがて、宅地造成の波はその地にもやってきた。秋の夕べ金色に輝いていた野原も今はなく、コンクリート一色に区画整理された敷地には、同じように見える清潔な家が並んでいる。野原に枝を伸ばしていたポプラは切り倒されたが、小型雑木林に隣接する破目になった家では、僅かな落葉もごみになるのか掃除に余念がない。その不運を嘆くかに聞こえる竹箒の音を耳にする度に、彼女は以前訪れた大磯を想い出す。友の家は山手にあり辺りは緑に覆われていた。一本の大木が何軒かの敷地まで枝を伸ばしていたり、互いの家の樹々が敷地深く交叉していたり、また四方八方樹に取り囲まれ一体どこから陽が差し込むのかと心配させる家、門から住み家まで一キロ以上は山登りしなければならない家等々、要するに区画も境界もあってない、自在に自然の中で自然の一部のように住んでいる。こんな住まい方もあったのかと目を見張る思い。ちなみに、ここの住人たちの中には石を投げ合って喧嘩をした人もいるらしい。始原のエネルギーに突き動かされるのか…。芸術家が多く住むというのもうなずける。
 女は小型雑木林の蝉しぐれの中、わずかの生命力、創造力でも湧いてこぬものかと終日心ひそかに待っている。 /TD>
?昭昭和25年、千葉県から焼け野原の宇部に赴任して来られ、宇部の緑化運動、まちづくりにその青春を傾注され、現在は千葉県白井町にお住まいの山崎盛司さんから次のような激励の手紙をいただきました。ご本人のご了解をいただき、転載させていただきます。

 私はいま(社)日本造園修景協会の参与ということで毎週1日東京へ、また筑波にある学園商事という会社の顧問ということで週2日、つくば市に行っています。造園の修景と申しますか、都市景観という観点から都市の美しさを見ますと、つくば市は日本一の美しい町だ、と思います。つくば市はご承知のように「つくば研究学園都市」として人間が造った理想都市で、自然を尊重し、環境を重視してつくられています。ここには50余の研究所や筑波大学をはじめ数多くの学園があります。広大な敷地の中に緑と花に囲まれた研究所や学園があるわけです。
 建築のことはよくわかりませんが、研究所や学園の建築もユニークなものが多いと思います。
 私は先にも述べましたように毎週、月、金の2日、往復6時間もかけて、このつくば市に通っていますが、春、夏、秋、冬、自然にいろどられたこの町は、目をみはるばかりの美しさです。
 丸1年私はこの美しい都市に魅せられて、つくば市に通っているのですが、山口市や宇部市に比べて人間の手と申しますか、ここの町には市民が不在です。山口市は自然環境の素晴らしさと数百年もかかってそこに住んでいる人々の手でつくられた文化があります。宇部市は世界一、二の煤煙の町といわれた中から市民の手で自然を取り戻し、市民の手でつくられた自然や文化があります。
 つくば市のように市民不在でつくられた都市にはそこに住んでいる人々の息吹が聞こえてきません。どんなに美しい都市でも人造の都市はイミテーションのようなものでしょう。この町は都市ではなくて、研究所と学校のための町だということです。
 私たちが青春の情熱を燃やして取り組んだ宇部の町づくりは常に市民運動として、市民と共に木を植え木を育てた町づくり、緑の町をつくろう、花いっぱいの町をつくろう、町を彫刻で飾ろうという市民運動を基に町づくりを進めて来ました。
 この町には、このような町づくりの市民運動がある限り、町の息吹があるわけです。つくば市のようにどんなに美しい町でも市民不在では死んでいる都市のようです。そのような意味で皆様の今行っている町づくりは素晴らしいことです。もっともっと輪を広げて皆様の息吹が県や市のお役所の中にも広がるよう頑張ってください。

私たちの活動や会に対してさまざまな声が寄せられました。そのいくつかをご紹介しましょう。

・今年も、よろしく、楽しく、お願いします。(30代、男性)

・長年、土木構造物の建設に携わってきましたが、近年土木構造物に対してもトータルな景観の中でのデザインが要求されるようになり、わからないままに現場で苦労している毎日です。(30代、男性)

・昨年は積極的に参加できませんでした。今年も9月より東京で研修の後、12月より青年海外協力隊で西サモアに建築関係のボランティアで行ってきます。2年間の予定です。住所が変わりましたら連絡しますので、情報だけでも送ってください。何事も継続していく事が大事です。(30代、男性)

・田舎に暮らしていても都会的なしゃれた街並や風景にも浸りたい。とは言っても、全国どこへ行っても同じような街ではつまらない。それぞれの土地柄や歴史が生かされて、かつ心地よい暮らしができる街に住みたいと思う。(40代、女性)

・この会がますます発展していくことを心よりお祈り致しております。(20代、女性)

・呉は軍港の町として明治から栄えてましたが、「今のところちょっとつまらないねぇ」という人たちが多く、もっと活気のある街づくりをめざそうと“We live”というサークルを発足しました!是非、呉のよそおいにプラスになるような情報を下さい!!(30代、女性)

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まちのよそおい講座 part4

日時:1993年9月25日(土) 14:00 〜 16:30
会場:山口芸術短期大学 視聴覚室
内容:「都市景観と公園・広場」
     まちのよそおい・ネットワーク   熊野 稔
   「景観づくりに携わって」
     (ゲスト)LAT環境設計事務所  上之博文氏
受講料:無料(どなたでも自由に参加できます。)
問合先:山口芸術短期大学 福田研究室 TEL08397-2-2880 

応募作品の展覧会のご案内

昨年の反省を受けて、今年は、できるだけ多くの会場で、一次審査会を兼ねた展覧会を開催することにしました。併せて、まちのよそおい・ネットワークの活動の紹介もしたいと考えています。いろんな方々に声を掛ていただき、ご参加くださいますようお願いします。
なお、展覧会の開催会場と日時は次のとおりです。

開催地	  会場	              開催日時
	徳山     ピピ510・ロビーホール      9月19日(日) 10:30 〜 16:00
	萩    ジョイ201・イベントホール    9月19日(日) 10:30 〜 16:00
	山口   山口芸術短大・展示ホール      9月21日(火) 〜 26日(日) 10:30〜16:00
	宇部     宇部緑橋教会              9月25日(土) 10:30 〜 16:00