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たからもの(草場文子)
「取り組むに当たっての問題点」について(東孝次)
通りの雰囲気を形成する魅力的な敷地際の演出(中園眞人)
レポート:まちのよそおい講座 part1(入江直子)
インフォメーション

たからもの     草場文子
 ストラディバリは、弦楽器の製造者で巨匠と言われ、数々の名器を今に残している。彼の楽器の製造は、すでに何百年前。それを、現代の演奏者達は億からのお金を出して好んで用いて、満足感を得て楽器を後期の人に渡していく。
「今預かっている」そして「今の自分だけでなく後の人たちにもちやんと伝える」こういった思いを、所有者自身、自然に持ち合わせているようだ……

 先日、「第一回まちのよそおい講座」が開かれ、ゲストで渡辺アンゲリカさんをお招きし、ドイツのまちについてお話をうかがった。
まちには、電柱や大きな看板等はなく、各家の玄関先や窓辺にはそれぞれの思いでいつも花を飾り、建物の雰囲気を壊さないよう手入れをし、生活を営んでいるようだ。
ドイツでの建物と言って一番に思い浮かべるのは、やはり伝説の城・夢の跡のノイシュバンシュタイン城、郷愁のまちなみ・ロマンチィック街道など、誰でもいちどは立ち寄りたいと思うところがビンと出てくる。
法律で特に外観などは規制されているところがあるようだが、あれだけの保存も一人ひとりの思いやりや気配りで成り立っているということがわかった。
「国民性の違い」と言ってしまえぱそれまでだが、「きれいな方がいいでしょう」と幼い頃から自然に家を飾ることを覚えていくようだ。
ストラディバリの楽器が、今も演奏者の手によって大切に扱われているように、ドイツのまちなみも、人々のやさしさで受け継がれてきたのだと感じた。
私達の「生活するまち」も後に受け継ぐといった感覚でそろそろ見直してもいい時期じやないかなあ……って生意気にもそう思ってしまう今日この頃だ。

「取り組むに当たっての問題点」について    東孝次
この企画を実施するに当たっていくつかの問題点があります。メンバーさらには賛同者から疑問が寄せられました。そのいくつかについて、「まちのよそおい・ネットワーク」としての現時点での考え方をご説明します。

○地域性の問題
日常的に触れているものに愛着を感じ、一票が投じられるのではないか。したがって、山口市近郊の審査員が多いだろうから、山口市周辺の建築の方が有利になるのではないかといった問題です。分散型都市分布構造をもつ山口県では特に問題となるものです。本来的には市町村単位で行うことが理想的だと言えます。今回の企画は、試行的な面をもっており、今後の課題とさせていただきます。

○審査員の認識の差
建築に造詣の深い人もそうでない人も同じ一票でよいのかといった疑問があります。しかし、今回の企画は、一住民として自分たちが心地いいと感じる建築はどのようなものかといったことを考えてみようということが趣旨です。つまり、生活者として審査に関わるのです。その意味から、建築に対する造詣の深さより、生活者としての感性を大切にしたいと考えています。

○審査員公募の弊害
今回の企画の最大の特徴は、審査員を公募するということです。入賞を目指す作品応募者が、その熱意のあまり組織的な審査員を投入する危険性があるのではないかといった危惧があります。入賞することによって社会的に認知される賞ではありませんし、良識ある作品応募者や審査員によって、単なる危惧に終わると考えています。

○審査方法
写真の出来栄えは撮影者によってかなりの違いがあります。それによる不公平さを解消するために、同一のカメラマンによって撮影する必要があります。しかし、天候の加減などもあり、全く同一条件ということは、まず不可能です。それに、事務局はボランティアで運営されているということで、ご了解をお願いします。
また提出されたもので正当に審査できるかといった疑問があります。作品そのものより写真の出来不出来等で審査が左右されるのではないかといったものです。提出物で設計者の意図を十分反映できるか、確かに難しいことだと思います。しかし、多人数で審査するため、やむを得ないことだと考えています。        

通りの雰囲気を形成する魅力的な敷地際の演出    中園眞人
建築物と通りの間の境界領域は、まちなみを形成する重要な要素となります。
特に中心市街地では敷地境界の処理を出来るだけ開放的にし、街路と一体となった空間を造ります。
また建物外壁の開放部の表情を魅力あるものにし、材料・色彩にも潤いを持たせて、建物自体を通りのインテリアとしデザインする配慮も重要です。
一方郊外の住宅地では、生け垣や庭木を連続させることにより緑豊かで潤いと落ち着きのあるまちなみが形成されます。また門・駐車スペース・階段・塀などのデザインにも配慮し、出来るだけ周囲の家並みとの調和を図ることにより、統一感のある町並みの連続性が生まれます。
レポート:まちのよそおい講座part1    入江直子
●「景観ってなあに」では、まちのよそおい・ネットワークの水沼信さんのお話
 「景観」の「景」は眺められる対象のモノ、「観」は眺める主体のヒト客観の「観」です。優れた対象物があってもそれを見ることができる場所に多くのひとが簡単に行けなりれば、これは「景観」とは言えません。そして、そこにいくらか洗練されたデザインの建物があっても、その周囲の環境と調和していなけれぱ「優れた景観」とは言えません。
「景観」は見る人それぞれでその評価が異なるのは当然です。しかし様々な評価の総和によって客観性が生まれてきます。これは、言い替えれぱみんなが共通に心地よいと感じることができるということです。これこそ優れた「景観」と言えるでしょう。

●「市民がつくるまちのよそおい」ではゲストに“ドイツハウスパレッテ”の渡辺アンゲリカさんを迎えて、トーク形式でドイツ市民のまちづくり観についてお話を伺いました。
 ドイツではセミバブリック(セミプライベート)スペースも大切に考えています。外から見える所は自分だけのものではないという視点から、見苦しい看板・広告は建てませんし、場違いな高層ビルも許可されません。自分の街に誇りを持っていますから、歴史的な景観保存も生活の中に根づいているようです。30年前までは経済優先だったドイツも、今では心豊な住みよい街づくりを、みんなの共通認識として求めているようです。

インフォメーション
●今後のスケジュール  「まちのよそおい・ネットワーク」では次のスケジュールで進めたいと考えています。 10月15日  作品募集締切(審査員・協賛企業については当日まで募集しています。) 10月17日  まちのよそおい護座part2の開催 11月8日   第1回手作り景観賞(建築部門)審査会&表彰式   場所:山口県視聴覚センター・レクチャールーム
スケジユール  
■第一次審査  10:30〜13:00 この時間内に常時行うことができます。審査員受付を済まされた方から、会場に展示した応募作品パネルをご覧のうえ、投票していただきますので、ご都合のよい時間にお越しください。なお、昼食時間を特に設定しておりませんので各自でお済ませください。        ■まちのよそおい講演   13:00〜14:30   講師:鳴海邦碩   内容:「景観からのまちづくり」(仮題)  
■第一次審査結果発表  14:30−14:40
■休憩  14:40一15:00
■第二次審査  15:00〜16:30  第一次審査通過者によるスライドを使っての作品説明のあと投票を行っていただきます。
■第二次審査結果発表&表彰式  16:30〜17:00 11月下句  「まちのよそおい」第3号発行 2月下句   報告書「まちのよそおい」刊行
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